いつか遺書になる

大事な気持ちだけカプセルに閉じこめて取っておきたい

夢日記

 

山奥の親戚の家に連れられて、暇だからひとりで山に入って時間を潰していたら、

防災スピーカーで母親から呼び戻された。

薄暗い山道を下って、家に戻るなり開口一番

 

nanaco、なかったら困るよねぇ?」

 

と言われた。

どうやら、近所の小さな商店の支払方法が現金かnanacoで、手数料の関係でnanacoをやめようとしているらしかった。その店主のおばちゃんと母親が言い合いしていて、母は加勢してほしくて私を呼んだようだった。

 

「どっちだっていい。現金も持ってるし」

 

専らキャッシュレス派の私だけど、近所のスーパーが現金支払のみなので現金はつねに持ち合わせている。そう答えると、母は年甲斐もなくぶうたれた。

 

「えー?だってnanacoあった方が絶対に便利だよ…」

 

その土地に住むわけでもないのに母はいつまでもぶつぶつ言っていた。

 

***

 

夕日が山に隠れて空が澱んだ橙色と深緑のグラデーションになっている。

薄靄がかかったような視界の中で私と母、叔母は山の途中の家の前に立っている。

さらにその前には不動産屋らしき小太りの男が立っていて、家を売ればいくらになるかという話を、文字通り手を揉みながらしていた。

 

「売りませんよ」

 

という叔母をよそに、不動産屋は「いやぁ、しかしですね」と食い下がらない。

下手に出つつも引く気配のない不動産屋に、ふんと叔母が鼻を鳴らして

 

「祟られますよ」

 

と言う。

 

「え?」

 

不動産屋があっけにとられていると、ふいに家の門が開いて、中身が空になった半分のスイカを抱えた叔父が飛び出してきた。びくっとする不動産屋の前を猛スピードで通過して、たちどころに道路を駆け抜けていった。

 

「え…今のって」

 

固まってしまった不動産屋を尻目に、叔母は門の中に戻っていく。

私と母はそこに座ったまま、ぼーっと一部始終を眺めていた。

 

 

…というような夢を見た。うろ覚えの部分は脚色有。

イメージとしては、ひぐらしのなく頃にの画面をもっと暗くしたような感じ。

最近YouTubeでホラー系のゆっくり解説やら2ちゃんねるのスレを音声に起こしたやつばかり見てるから、それが影響してるんだろうと思う。

 

ちなみに、山奥に叔父叔母は住んでいないし母親はこんなやばい人じゃないしnanacoは持ってない。

私の文章力では表しきれないけど、宵の空に靄がかかっている感じがすごく不気味で魅力的で、なんとなく忘れたくなかったので記録。

夢日記ってまずいんだっけ?まあいいか。