いつか遺書になる

大事な気持ちだけカプセルに閉じこめて取っておきたい

2024/11/24

 

先週の日曜に海に行った。

 

いつもはいろいろと理由をつけて近所の散歩で終わるけど、細かいことは考えなくていいからとりあえず行動しろと言われて、それもそうだと思って出かけた。ついでに、良い町であれば引っ越しも考えるつもりで。

 

家の近くは雲も見えつつ晴れていたけど、到着した先はすっかり曇っていて残念だった。そう言ったら、自分で変えられない現象をどうこう思うのはやめて、それでも楽しめるように自分の側が変わる方がいいと言われた。

20分くらい歩いて海に着いたら、少しだけ晴れた。雲に覆われた空の隙間からわずかに太陽の光が差し込んで、絶え間なく揺れる海面をきらめかせる。黒くて大きな犬がその水面を割るように泳ぎ、笑顔で見守る家族がいる。それを少し離れたところから眺めていた。幸せな家族がずっと幸せでありますようにと思った。

そこから一駅分海辺を歩いた。岸から見る海はどこまでも続くように見え、なにからも自由であるように思われて、つい最近二次創作で読んだ「あの向こうはまだ何が罪かも決まっていない世界なんだ」という言葉を繰り返し頭で反芻していた。

一駅先の海辺は公園になっていて、子ども連れの家族や夫婦がたくさんいた。ひとりでぽつんと座っているおばあさんがいて、今の私はこの人に最も近いな、と思った。いずれにせよ、この人たちが平和で幸せでありますよう。

 

今私は26歳、ひとりの時間がどうしようもなく好きで、友人との旅行で美しい景色を見た時「ああ、これはひとりで見たかったな」という気持ちが頭を掠めるくらいだ。自分の頭の中だけで言葉を産み、発し、完結させたい。そこへ人の感想を割り込ませたくない。そういう傲慢な思いがある。自分のことが嫌いだと言っておきながら、自分の思考へのナルシストじみた信頼がある。

 

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